無線技術をベースとしたソリューション向けデジタルカメラ
The Solution-oriented Digital Still Camera based on the Wireless Technologies
内山 裕章
*アラン ボルマ
*角田 直規
**Hiroaki UCHIYAMA Alain VOLMAT Naoki TSUNODA
要 旨
リコーの業務用デジタルカメラは，カメラメモ機能，防水機能，無線通信機能等，その独特の 機能を活用し，ソリューションに最適なデジタルカメラとして市場における明確なポジションを 確立してきた．なかでも無線通信機能に関しては，2000年に発売されたRDC-i700に無線LAN機能 が搭載されるなど，業界に先駆けた機能搭載を実現し，現在にいたるまでモバイルビジネスシー ンでの無線技術の活用ノウハウを蓄積してきた．また，2003年に発売されたCaplioProG3では，オ プションCFカードとして無線LANカードに加えてBluetoothカードにも対応している．Bluetoothは 無線LANと比較して消費電力が低いという特徴をもつ一方，転送速度が低い．このためサイズの 大きな撮影画像データの送信よりも，カメラメモデータやGPSデータ等，サイズの小さなデータ を送受信するための通信技術として注目されている．リコーでは，これら無線通信規格に起因す る特徴を使い分け，様々なビジネスシーンに有効活用すべくソリューション提案をしてきた．本 論では，無線技術をベースとしたソリューション向けデジタルカメラに関して技術の特徴および ビジネスシーンでの活用事例を紹介する．ABSTRACT
Ricoh’s business oriented digital still camera is well established at a bright position on the market as the optimal solution oriented digital camera. It combines characteristic functions such as camera memo function, waterproof, wireless data transmission and others.
Among them, in regard to the wireless data transmission function, the RDC-i700 was launched in 2000 including support for the Wireless LAN function, leading the industry and accumulating until now know-how of Wireless technology in mobile business scenes. Again, the CaplioProG3, launched in 2003 is also offering via optional Compact Flash Card the Wireless LAN support but also Bluetooth capabilities.
Compared to Wireless LAN, the Bluetooth technology has the advantage of low power consumption, however its transmission rate is low.Due to that, transmission of camera memo, GPS data or resized small image data is more appropriate than large image data.
By taking advantage of each technology’s feature, Ricoh has been proposing solution for appropriate business scenes. In this report, we present the feature of the wireless technology based solution oriented digital camera and its use case in business scenes.
* ソフトウェア研究開発本部 システム研究所 Systems Lab, Software R&D Group
** パーソナルマルチメディアカンパニー ICS事業部
1．背景と目的
リコーはこれまで業務用途のデジタルカメラを市場に提 供してきたが，その主な技術としては，防水，カメラメモ， GPS連携，無線通信等があげられる．特に無線通信技術に関 しては，近年では近距離無線技術が台頭してきており，これ らの技術を利用したデジタルカメラと周辺機器との連携が検 討されはじめている．無線通信技術に関しては，現在いろい ろな標準規格が存在するが，使用目的に応じて使い分けるこ とにより，デジタルカメラを様々な業務へ応用することが可 能である．また，デジタルカメラのユーザニーズは多様化し つつあり，これらニーズに対応するための機能の一つとして 無線通信技術は大きく注目されている． デジタルカメラへ無線通信技術を利用した例としては， 撮影画像の無線転送があげられる．通常，撮影画像の転送に 関しては，SDカードやUSBケーブルの画像転送が一般的で あるが，雨天時の屋外での使用やほこりの多い環境での使用 を考慮すると，これらの方法は故障の原因になる．仮にカメ ラに防水機能がついていても，屋外にて画像転送を行いたい 場合は，メモリカードを取り出すときにカメラの蓋を開けね ばならず，このときに防水機能も損なわれてしまう．これら の課題を解決するために，無線による画像転送が望まれてい る．いいかえれば，無線による画像転送機能を搭載するによ り，リコーのデジタルカメラの持つ防水機能のメリットも大 きく引き出せるのである． このように無線通信機能は，リコーのデジタルカメラが 備える防水機能，カメラメモ機能，GPS連携機能等と組み合 わせることにより，各機能の応用の可能性をさらに広げるこ とが可能となる． 一方，デジタルカメラに無線通信技術を搭載するときに 検討すべき課題事項もある．具体的な検討事項を下記に示す． ・バッテリー寿命（低消費電力化） ・転送速度向上（消費電力とTrade off） ・ユーザインターフェース（設定の簡易化，使い勝手） ・相互接続性の向上 無線通信技術を搭載するうえでこれら課題解決は避けて 通れない． 本論では，以上のことをふまえて，無線通信技術をベー スとしたソリューション向けデジタルカメラに関して，無線 通信技術の特徴，およびビジネスシーンでの活用事例を紹介 する．2．技術の特徴
2-1 Bluetooth
Ⓡ機能，無線LAN機能
CaplioProG3は，Bluetooth®CFカード，あるいは無線LAN CFカードを使用することにより，各々の通信規格に準拠し た無線通信を行うことが可能である．以下，CaplioProG3が 持つBluetooth®機能および無線LAN機能について紹介する． 2-1-1 BluetoothⓇ通信機能 Bluetoothとは，近距離無線通信規格の名称であり，周波 数として2.4GHz帯を利用しており，転送速度は最大723Kbps である．電波出力に関しては，出力に応じてClass1，2，3が あり，搭載する機器に応じて最適なClassの電波出力を採用 することができる． Bluetooth®標準規格では利用目的に応じて通信手順を各々 個別に規定しており，これら各々の手順をプロファイルと呼 んでいる．Bluetooth®プロファイルの例を表1に示す．Table 1 Bluetooth® profiles．
プロファイル名（略称） 利用用途 搭載機器例 Serial Port Profile
(SPP)
シリアルケーブル 置き換え
PC, PDA, 計測機器等 Dial-up Network Profile
(DUN) 携帯電話のモデム利用 携帯電話 Hands Free Profile
(HFP) 携帯電話ハンズフリー 携帯電話 Basic Imaging Profile
(BIP) 静止画像転送
デジタルカメラ， 携帯電話，プリンタ Object Push Profile
(OPP)
オブジェクト データ転送
PDA，携帯電話， プリンタ Human Interface Device
Profile (HID) マウス，キーボード等 のワイヤレス化 マウス，キーボード， PC Hardcopy Cable Replacement Profile (HCRP) 印刷 プリンタ 例えば画像を送信するためのプロファイルは，BIPと呼ば れ，画像を送受信するために特化した通信手順を行うことに より，信頼性の向上が図られている．具体的には，受信側の デバイスの処理能力情報（処理可能な画像サイズ情報や画像 フォーマット等）を交換するためのGetCapabilityファンク
ション使用の義務付け，送受信するデータは画像データに限 るなどの制約を設けることにより信頼性および相互接続性の 向上を図っている．
CaplioProG3は，BIP (Basic Imaging Profile) / OPP (Object Push Profile) / SPP (Serial Port Profile) をサポートしており， これらプロファイルを用いて様々な機能を実施している．以 下，各々のプロファイルがCaplioProG3のどのような機能に よって使用されているかを紹介する．
(1) BIP (Basic Imaging Profile) / OPP (Object Push Profile) BIP，OPPともに，CaplioProG3では，撮影画像データを送 信するときに使用している．Bluetooth®の仕様上では，BIP は画像データ（JPEG等）の送受信専用のプロファイルであ るのに対して，OPPは汎用的なファイル（フォーマットを問 わない）の送受信用のプロファイルである．CaplioProG3で は，BIPおよびOPPともに送信できるデータは撮影画像デー タ（JPEGファイル）に限定しており，またBIPおよびOPPの 双方に対応しているBluetooth®機器に対しては，BIPを優先 して使用して画像を送信する仕様にしている． (2) SPP (Serial Port Profile)
SPPは，従来シリアルケーブルで行っていた通信部分をワ イ ヤ レ ス に 置 き 換 え る た め の プ ロ フ ァ イ ル で あ る ． CaplioProG3では，PCおよびPDAからのカメラメモ情報の受 信，およびGPS機器との通信に使用している． 2-1-2 無線LAN機能 CaplioProG3は，上記で説明したBluetooth®機能以外に無線 LAN機能（IEEE 802.11b準拠）も備えている．無線LAN機能 では，Infrastructureモード，Ad-Hocモード，通信チャネル， ESSID，WEPキー等の各種パラメータが設定可能である．
Infrastructureモードでは Access Point経由でNetworkに接続 され，撮影した画像をFTP，もしくは SMTPを使って任意の サーバ，もしくはSMTPサーバに送信することができる．
Ad-Hocモードでは，無線LAN対応のPCと Point to Point で接続しFTPを使って撮影した画像を送信することが可能で ある．
Fig.1 Wireless LAN function.
2-1-3 BluetoothⓇと無線LANの使い分け 複数の無線通信機能を備えたデジタルカメラにおいて， 「どういった利用用途において，どの無線通信方式の使用が 適しているか？」は，そのカメラの機能仕様を策定するうえ で必要不可欠な要素である．以下，特に考慮すべき視点につ いて述べる． (1) 消費電力と転送レート バッテリ寿命が重要視されるデジタルカメラでは，無線 通信機能の消費電力問題は避けて通れない課題であり，一方， 撮影画像ファイルを送信することを考慮すると，転送速度も やはり重要視されるべきである．低消費電力化と高速化はト レードオフの関係にあるため，最終的にはユーザ用途にあわ せて優先度を考慮し最適な方式が選択されるべきである．表 2に無線LAN（802.11b）およびBluetooth®v1.1の最大転送速 度と最大消費電力を示す．
Table 2 Bit rate and power consumption.
転送速度 最大消費電力 無線LAN (802.11b) 11Mbps 700mW Bluetooth v1.1 723Kbps 100mW (2) 標準規格の市場普及度，将来性 接続対象機器（動作確認機器）の市場における普及度は， ユーザにとっての接続対象機器選択肢の広さにつながる．例 えば，現在，市場に普及しているワイヤレスプリントの通信 方式は，Bluetooth®通信方式が圧倒的に多い．よって，少な くとも現状では，カメラからのワイヤレスプリント機能は Bluetooth®通信方式に重点をおくべきである．ただし，無線
通信技術は日々進化しており市場における普及度も短期間で 他の方式に入れ替わる可能性がある．このため，現状の普及 度に加えて通信技術そのものの将来性も加味しながらデジタ ルカメラの無線通信機能仕様を検討する必要がある． CaplioProG3は，これらのことを考慮し，ユーザのニーズ に応じた柔軟な無線機能の選択が可能としたソリューション プラットホームを実現している．
2-2
無線機能による操作性，モバイル性の向上
CaplioProG3は撮影された大量の画像を容易に分類するた めのカメラメモ機能や，PCの地図ソフトと連動させ撮影位 置を地図上に表示させるためのGPS機能を備えている．これ らの機能と無線機能とを組み合わせることにより，従来以上 に高い利便性および簡単な操作性を実現した．以下では具体 例を含めて詳細を説明する． 2-2-1 カメラメモ機能への無線技術の応用 カメラメモ機能は，撮影画像を容易に分類するために， 個々の画像ファイルにテキスト情報，または音声情報をメタ データとして付加する機能である．メモ情報付き画像は付属 のPCソフト（DU10-n）でメモ項目での検索やメモ付き印刷 が可能である． 無線通信を使用しない場合，画像に付加するメモ項目の 設定方法としては，ユーザがあらかじめパソコンで作成した メモのリストをカメラに取り込んでおき，撮影時にはそのリ ストから任意の項目を選択するという操作フローとなってい る．このため，例えば外出先で撮影を行う場合は，外出前に あらかじめリストを作成し，カメラに取り込んでおく作業や， 撮影時にはユーザが必要に応じてカメラのディスプレイを見 ながら項目の選択を行うという面倒な作業が発生し業務効率 を下げるという課題があった．Fig.3に無線通信を使わない 場合の操作フローを示す．Fig.2 Camera memo print sample.
Fig.3 Workflow - camera memo function (without wireless function). 無線通信機能を使用する場合の画像に付加する項目の設 定方法に関しては，ユーザはタブレットPCやPDA（携帯情 報端末）等で作成した項目リストおよび項目選択コマンドを カメラへ無線で送信し，カメラは受信したリストから項目選 択コマンドに従って自動的に項目を選択するというフローに なる．このため，無線無しで行っていたユーザの操作ステッ
プ数が大幅に減少されるとともに，リストに関しては外出前 にあらかじめ作成しておく必要は無く，撮影現場にて現場の 状況に応じてタブレットPCやPDA等の携帯端末上で任意に 作成し，カメラへ送信することが可能となる．Fig.4に無線 通信を使用した場合の沿うsフロー，およびFig.5に無線通信 シーケンスを示す．
Fig.4 Workflow - camera memo function (with wireless function).
Fig.5 Sequence – camera memo function.
2-2-2 GPS機能の無線連携 GPS機能は，GPS受信機とカメラ本体を接続することによ り位置情報をカメラ本体に取り込み，画像ファイルに撮影時 の位置情報を付加させる機能である．本機能を使って撮影さ れた画像は様々な位置情報を利用したシステムに応用するこ とが可能となる． 撮影時の機器構成としては，無線通信を使用しない場合 は，カメラ本体にGPS CFカードを挿入するか，またはGPS 受信機とシリアルケーブルでカメラ本体と接続するといった 構成となる．Fig.6に無線通信を使用しない場合のシステム 構成を示す． Fig.6 GPS system
(without wireless function).
Fig.6からもわかるよう無線通信無しでは，被写体の位置 情報を正確に取得することができないという課題がある．業 務内容によっては位置情報は十数cmの精度まで要求される ことがあるため，位置情報を正確に画像データに付加する技 術が要求されてきた．CaplioProG3では，GPS機器とカメラ 本体を無線接続することによりこの問題を解決している． Bluetooth®の通信可能範囲が10～30m程度であることを利用 して，この通信可能範囲内において被写体のそばにGPS受信 機を置き，GPS受信機とデジタルカメラをBluetoothで接続す ることによって被写体の位置精度をあげることができる．ま た，無線化することにより可動性の向上にもつながる． Fig.7に無線通信を使用した場合のシステム構成を示す．
Fig.7 GPS system
(with wireless function).
また，場所，距離の測定に使用される機器としてはGPS受 信機の他に測距計（レンジファインダ），GPS専用携帯情報 端末等があり，これらの機器もBluetooth®対応が進んでいる． CaplioProG3 は ， 現 場 に お け る 実 使 用 状 況 を 考 慮 し ， CaplioProG3一台に対して複数のBluetooth®機器と同時に接続 を可能にした．
Fig.8 Multiple connections.
地理的情報を持ったデータを使い，利用目的に応じた解 析を行うシステムはGIS（Geographic Information System；地 理情報システム）と呼ばれ，近年その市場規模は大きくなり つつある．CaplioProG3は，GISにおける画像入力デバイスと して，その活用が期待されており，現在，GoogleEarth™ （地図ソフト）との連携も実施されている． Fig.9 GoogleEarth™.
2-3
無線機能を活かすための操作フローおよび
機能仕様
デジタルカメラに無線通信機能を搭載することにより， 様々な応用の可能性が広がり，かつ操作性の向上にもつなが る こ と を ， こ れ ま で 紹 介 し て き た ． こ れ に 加 え て ， CaplioProG3の操作性に関して「無線ならでは」の操作フ ローを追加することにより，無線のメリットを最大限に活か した機能仕様を実現している．本セクションではこれら操作 フロー，機能仕様に関していくつか紹介する． 2-3-1 ワンタッチ送信機能 ワンタッチ送信機能とは，撮影直後のクイックビュー画 面にてOKボタン押すだけで前回接続したBluetooth®機器に画 像を送信する機能である． 例えば，屋外にて撮ったその場で，タブレットPCやPDA へ撮影画像をBluetooth®送信したいが，カメラ本体は防水 ケースに入っているため，必要最低限のボタン操作で送信し たいときに本機能は有効である． 通常，画像ファイルのBluetooth®送信の操作フローとして は，「再生モード」→「送信画像選択」→「メニュー」→ 「ファイル送信」→「送信先選択」といったステップが必要 であるが，本機能により撮影後にわずか2ステップ（「ク イックビュー」→「OK」）で画像送信を実行できる．Fig.10 Quick view. 2-3-2 送信画像リサイズ機能 送信画像リサイズ機能とは，あらかじめセットアップメ ニューで送信画像サイズを設定しておき，Bluetooth®による 画像送信時には，設定された送信サイズにリサイズしてから 送信する機能である．送信する画像はリサイズされるが，カ メラのSDカードにはオリジナルのサイズで保存される． 例えば業務において実際に使用する画像サイズがVGA等 比較的小さいサイズに固定されている場合，撮影時に解像度 の大きな画像を撮影しても，端末への送信時に必要最低限の 画像サイズにリサイズすることにより，Bluetooth®送信時間 を短くすることができる．Table 3にリサイズ可能なサイズ を示す．
Table 3 Resize table.
160x120 320x240 640x480 1280x960 2-3-3 BluetoothⓇ自動接続機能 Bluetooth®自動接続機能とは，カメラ本体の電源ON時に， 前回接続した機器に自動的にBluetooth®接続を実行する機能 である．自動接続するか否かは，ユーザがあらかじめセット アップメニューで設定しておく． 例えば，CaplioProG3を災害現場調査用の専用デジタルカ メラとして使用し，撮影画像には必ず位置情報が付加されて いるという使途を想定する．この場合，カメラは常にGPS受 信機と接続して使用するため，カメラの電源を入れた後は， 必ずGPS受信機とBluetooth®接続されるユーザシナリオとな る．このような使い方の場合に，本機能によりカメラ起動後 にユーザが行うBluetooth®の接続フローがなくなり，実際の 作業現場における操作ステップ軽減につながるのである． 2-3-4 認証パスキー事前設定機能 認証パスキー事前設定機能とは，セットアップメニュー にてあらかじめパスキーを設定しておく機能である． Bluetooth®接続を行う場合，接続相手機器にセキュリティ 設定がされている場合は，接続時に認証パスキーの交換が必 要となる．通常は，接続時にカメラの画面上にて認証パス キー（最大16桁）を入力するが，認証パスキーが，あらかじ めわかっている場合は，本機能を使ってセットアップメ ニューにて入力しておくことができる． 例えば，認証パスキーを設定するシステム管理者と，実 際のカメラの使用者が異なる場合に，システム管理者があら かじめ認証パスキーを設定していれば，カメラ使用者は認証 パスキーの入力作業はせずにシステムを使用することができ る．
3．適用事例
本章では，無線を用いたデジタルカメラソリューション 事例を紹介する．3-1
北米事例1（落書き調査）
【ユーザ】公共機関 【業務内容】市内の落書き調査および清掃業者への清掃手配 【従来の問題点】 インスタントカメラやフィルムカメラで撮影し，関連部 門に連絡している．しかし，現像に時間やコストがかかるば かりか，現場伝達するなど作業が複雑で修理，清掃までに時 間と手間がかかっていた． 【ソリューション適用内容】 現場で状況撮影．CaplioProG3のGPSおよびカメラメモ機 能を使って状況を画像に付加．撮影した画像は関連部門に転 送し，GPS情報およびメモ情報をもとに清掃業者に清掃手配．Fig.11 Workflow – use case 1.
3-2
アメリカ合衆国事例2（災害調査）
【ユーザ】公共機関 【業務内容】災害現場調査 【従来の問題点】 アメリカ合衆国にて発生した災害（ハリケーン等）にお ける調査は，ヘリコプターからの上空撮影や，地上における 現場撮影により，災害状況の撮影を行っているが，撮影画像 と撮影位置情報の関連付けは手作業で行っていたため状況報 告までに時間と手間がかかっていた． 【ソリューション適用内容】 GPS情報を取り込みながら撮影を行い，撮影画像に撮影位 置情報を含めることに撮影画像と位置情報の関連付けを行い データベースに記録．これにより，レスキュー活動や災害復 旧活動が従来よりも迅速に行えるようになった．また，「り 災証明書」発行の時間も短縮された．Fig.12 Disaster Assistance.
